第1回:特定技能の内製化で“相談が増える”本当の理由とは
特定技能の受け入れを内製化した企業から、次のような声をよく聞きます。
- 支援業務を自社で行うようにしたら、相談が一気に増えた
- 現場が外国人対応で疲弊している
- 支援10項目より「相談対応」のほうが大変
実はこれ、偶然ではありません。
特定技能の内製化には、相談が増える“構造的な理由”が存在します。
本記事では、その理由を分かりやすく解説します。
理由①:支援業務の“受け皿”が社内に移るから
特定技能の支援業務を内製化すると、外国人からの相談はすべて
社内に直接届く ようになります。
登録支援機関に委託していたときは、生活相談や在留資格の不安などは外部で吸収されていました。
しかし内製化すると、これらの相談がすべて社内に流れ込みます。
その結果、
- 現場が抱え込む
- 人事がパンクする
- 管理職が対応に追われる
理由②:特定技能は“相談が多い属性”を持っている
特定技能の外国人は、技能実習とは異なり
生活・労務・在留が複雑に絡む
ため、相談内容が多岐にわたります。
よくある相談例
- 在留期間更新の不安
- シフト・残業の理解不足
- 生活トラブル(住居・金銭・人間関係)
- 現場とのコミュニケーションギャップ
- メンタル不調
- 将来のキャリア不安
これらは1つの部署では処理しきれないため、
企業側の負担が急増します。
理由③:相談内容が“在留 × 労務 × 生活”の3領域にまたがる
特定技能の相談は、日本人社員とは異なり
複数領域が同時に絡む ことが多いです。
例:
「残業が多くてつらい」
→ 労務問題
→ 生活リズムの問題
→ 在留資格の更新に影響する可能性も
このように、1つの相談が3つの問題を含んでいるため、
- どの部署が対応すべきか分からない
- 対応が後手に回る
- 問題が長期化する
理由④:外国人は“本音を言いにくい”ため相談が遅れる
特定技能の外国人は、日本人以上に
「迷惑をかけたくない」
と考える傾向があります。
そのため、
- 問題をギリギリまで言わない
- 相談が遅れて深刻化する
- いきなり退職の意思を示す
これは企業が最も気づきにくいリスクの一つです。
まとめ:内製化すると相談が増えるのは“当然の結果”
特定技能の内製化で相談が増えるのは、企業の対応が悪いからではありません。
構造的に相談が増える仕組みになっているからです。
- 支援業務の受け皿が社内に移る
- 特定技能は相談が多い属性
- 相談内容が複雑で多領域
- 本音を言いにくく相談が遅れる
これらが重なることで、内製化企業は必ず相談対応に追われるようになります。
■ 外部の専門家としての“外国人相談窓口”という選択肢
当事務所では、在留・労務・業務内容に関する相談を一次で受け止め、
事実整理と方向性の提示に特化した、外部の専門家としての“外国人相談窓口”
を提供しています。
当事務所の役割は、あくまで
「最初の一歩を整えること」
です。
- 判断はしない(結論づけは企業側)
- 個人的な悩みや背景は企業に共有しない
- 企業対応に必要な事実だけを整理して渡す
こうした中立的な外部窓口があることで、
現場は「気になる違和感」を早い段階で共有でき、
問題の早期発見と適切な対応につながります。
■ 次回予告
第2回では、
「特定技能の支援業務が想像以上に大変になる3つの構造」
について解説します。

■ 関連まとめ
外国人社員の相談が増える・出てこない背景が、
結果として“定着や離職”にどう影響するのかを整理した
「外国人定着支援シリーズ(全18回まとめ)」
もご覧いただけます。
