労働保険は、労災保険(労働者災害補償保険)と雇用保険を指します。
労災保険
- 概要:業務上の事由や通勤による労働者の負傷・疾病・障害・死亡等に対する必要な保険給付
- 適用事業:原則として、一人でも労働者を雇用している事業
※農林水産の事業のうち、常時使用労働者が5人未満の個人経営の事業は暫定任意適用事業 - 適用対象者:原則として、雇用形態にかかわらず労働の対価として賃金を受けるすべての労働者
雇用保険
- 概要:労働者が失業した場合や就職促進、能力開発等に対する保険給付
- 適用事業:原則として、一人でも労働者を雇用している事業
※農林水産の事業のうち、常時使用労働者が5人未満の個人経営の事業は暫定任意適用事業 - 適用対象者:原則として、適用事業に雇用される適用除外とならない労働者
※適用除外
①1週間の所定労働時間が20時間未満の者
②同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用されることが見込まれない者
③季節的に雇用される者
④一定の条件に当てはまる学生
⑤船員であって漁船に乗り組むために雇用される者
⑥国、都道府県、市町村等の事業に雇用される者のうち、一定の条件に当てはまる者
社会保険は、健康保険と厚生年金保険を指します。
健康保険
- 概要:労働者、その被扶養者の業務災害以外の疾病・負傷・死亡・出産に対する保険給付
- 適用事業:常時5人以上の従業員を使用する適用業種である事業、法人の事業、任意適用事業所等
- 適用対象者:適用事業所に使用される者と任意継続被保険者
※適用除外
①船員保険の被保険者
②臨時に使用される者で日々雇入れられる者
③臨時に使用される者で2月以内の期間を定めて使用され、その期間を超えて使用されることが見込まれない者
④事業所や事務所で所在地が一定しないものに使用される者
⑤季節的業務に使用される者
⑥臨時的事業の事業所に使用される者
⑦国民健康保険組合の事業所に使用される者
⑧後期高齢者医療の被保険者等
⑨保険者または共済組合の承認を受けた者
⑩一定の短時間労働者※一定の短時間労働者とは、1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の4分の3未満である短時間労働者又は1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1月間の所定労働日数の4分の3未満である短時間労働者に該当し、かつ、下記のいずれかの要件に該当する者
A 1週間の所定労働時間が20時間未満であること
B 2か月以内の期間を定めて使用され、その期間を超えて使用されることが見込まれないこと
C 報酬が、88,000円未満であること
D 学校教育法に規定する学生等であること※令和6年10月1日から従業員数51人以上(フルタイム従業員+週所定労働時間及び月所定労働日数がフルタイムの3/4以上の従業員)の企業等で労働する短時間労働者(パート・アルバイト等)に社会保険の適用が拡大されています。1週間の所定労働時間が20時間以上、月額賃金が88,000円以上、2か月を超える雇用の見込みがある、学生でないという条件をすべて満たす場合には、51人以上の企業で労働する短時間労働者(パート・アルバイト等)は社会保険の適用対象となります。
厚生年金保険
- 概要:労働者の老齢・障害・死亡に対する保険給付、労働者と遺族の生活安定と福祉向上のための保険給付
- 適用事業:常時5人以上の従業員を使用する適用業種である事業、法人の事業、任意適用事業所等
- 適用対象者:適用事業所に使用される者と任意加入被保険者
※適用除外
①臨時に使用される者で日々雇入れられる者
②臨時に使用される者で2月以内の期間を定めて使用され、その期間を超えて使用されることが見込まれない者
③事業所や事務所で所在地が一定しないものに使用される者
④季節的業務に使用される者
⑤臨時的事業の事業所に使用される者
⑥一定の短時間労働者※一定の短時間労働者とは、1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の4分の3未満である短時間労働者又は1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1月間の所定労働日数の4分の3未満である短時間労働者に該当し、かつ、下記のいずれかの要件に該当する者
A 1週間の所定労働時間が20時間未満であること
B 2か月以内の期間を定めて使用され、その期間を超えて使用されることが見込まれないこと
C 報酬が、88,000円未満であること
D 学校教育法に規定する学生等であること※令和6年10月1日から従業員数51人以上(フルタイム従業員+週所定労働時間及び月所定労働日数がフルタイムの3/4以上の従業員)の企業等で労働する短時間労働者(パート・アルバイト等)に社会保険の適用が拡大されています。1週間の所定労働時間が20時間以上、月額賃金が88,000円以上、2か月を超える雇用の見込みがある、学生でないという条件をすべて満たす場合には、51人以上の企業で労働する短時間労働者(パート・アルバイト等)は社会保険の適用対象となります。
労働基準法が適用される事業所設置後に遅滞なく、その事業所の所在地を管轄する労働基準監督署長に提出しなければなりません。
※「労働基準法が適用される」とは、事業所が1人でも従業員を雇用したときを指します。
会社設立時に既に従業員がある場合には、会社設立と同時に労働基準法の適用事業所となるため、適用事業報告を労働基準監督署に提出しなければなりません。
提出期限:遅滞なく
提出先:労働基準監督署
労働保険新規適用(労働保険 保険関係成立届、雇用保険適用事業所設置届)
成立届は、保険関係が成立した日の翌日から10日以内に以下の区分に従って提出しなければなりません。
設置届は、設置した日の翌日から10日以内に以下の区分に従って提出しなければなりません。
- 一元適用事業の事業所で労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託しない場合、二元適用事業の事業所で労災保険に係る保険関係が成立している場合
⇒成立届を所轄労働基準監督署長に提出後に、設置届を管轄公共職業安定所長に提出 - 一元適用事業の事業所で労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託する場合、二元適用事業の事業所で雇用保険に係る保険関係が成立している場合
⇒成立届・設置届を管轄公共職業安定所長に提出
提出期限:10日以内
提出先:労働基準監督署、公共職業安定所
労働保険 概算保険料申告書
労働保険の保険料は、保険年度である4月1日~翌3月31日ごとにその年度分を概算して納付します。
概算保険料申告書は、労働保険料の概算額を納付するときに提出しなければなりません。
会社設立時における概算保険料は、保険関係が成立した日の翌日から50日以内に所轄都道府県労働局に申告納付します。
提出期限:50日以内
提出先:都道府県労働局
社会保険新規適用(健康保険・厚生年金保険 新規適用届)
適用事業所を設置したとき、適用事業所に該当したときに、その日の翌日から5日以内に管轄年金事務所等に提出しなければなりません。
※従業員がおらず、社長一人だけであったとしても加入義務があります。
提出期限:5日以内
提出先:管轄年金事務所
雇用保険被保険者資格取得届
雇用した労働者が一般被保険者または短期雇用特例被保険者に該当する場合に、雇用した月の翌月10日までに管轄公共職業安定所長に提出しなければなりません。
提出期限:翌月10日まで
提出先:公共職業安定所
※パートタイム労働者の場合には、以下の全ての要件を満たすときに雇用保険の対象となります。
①労働時間、賃金楼の労働条件が労働条件通知書や就業規則等で明確であること
②1週間の所定労働時間が20時間以上であること
③31日以上雇用されることが見込まれること
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届
被保険者が資格を取得した日の翌日から5日以内に管轄年金事務所または健康保険組合に提出しなければなりません。また、被扶養者がいる場合には、被扶養者異動届も提出しなければなりません。
提出期限:5日以内
提出先:年金事務所または健康保険組合
労働保険適用廃止(雇用保険適用事業所廃止届、雇用保険被保険者資格喪失届、労働保険 確定保険料申告書)
雇用保険適用事業所廃止届
事業所を廃止した日の翌日から10日以内に、雇用保険被保険者資格喪失届・離職証明書とともに管轄公共職業安定所長に提出しなければなりません。事業所の廃止に伴って、従業員を他の事業所に転勤させる場合には雇用保険被保険者転勤届を転勤先の管轄公共職業安定所長に提出しなければなりません。
提出期限:10日以内
提出先:公共職業安定所
労働保険 確定保険料申告書
保険関係が消滅した場合には、労働保険料の清算のために確定保険料申告書を提出します。確定保険料の額が概算保険料の額を超える場合には、その差額を納付します。確定保険料の額が概算保険料の額を下回る場合には、その差額の還付請求を行います。
提出期限:50日以内
提出先:都道府県労働局
社会保険適用廃止(健康保険・厚生年金保険 適用事業所全喪届)
事業の廃止等によって適用事業所に該当しなくなった場合に、被保険者全員の被保険者資格喪失届・健康保険被保険者証とともに、その事実があった日から5日以内に管轄年金事務所または健康保険組合に提出しなければなりません。
提出期限:5日以内
提出先:年金事務所または健康保険組合
労働保険料(労災保険と雇用保険)は、年度の初め(6月1日から40日以内が原則)に労働保険料の概算を支払い、年度の終了後(次の保険年度の6月1日から40日以内が原則)に労働保険料を確定させて、概算保険料と確定保険料の差額を精算します。この毎年繰り返される手続のことを労働保険の年度更新といいます。
提出期限:原則として6月1日から40日以内
提出先:都道府県労働局
給料は毎月変動することがあり、これに対して毎月社会保険料の計算をすると事務が煩雑になります。そのため、決められた枠に報酬を当てはめることにより「標準報酬月額(等級)」を決定し、その「標準報酬月額(等級)」をもとに毎月の保険料を算出します。
標準報酬月額(等級)は、最初は社会保険の資格取得時に決定されます。その後は、毎年7月1日現在に事業所に在籍する全被保険者の標準報酬月額の見直しのために報酬月額を届け出ます。
この毎年繰り返される手続のことを「健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届」といいます。
提出期限:7月1日~7月10日
提出先:年金事務所、健康保険組合