第1回:外国人社員に指示が伝わらないのは“日本語力”の問題ではない
外国人社員に指示が伝わらないとき、
多くの企業はまず「日本語力の問題では?」と考えます。
しかし実際には、
日本語力よりも“情報ギャップ(情報構造のズレ)”が原因であることが圧倒的に多いのが現場の実態です。
本記事では、指示が伝わらないときに起きている“構造的な問題”を整理します。
理由①:原因は「言語」ではなく「情報構造」にある
企業が説明している内容と、外国人社員が受け取っている内容には、
しばしば“情報の階層構造のズレ”が存在します。
例えば、次のような情報が抜け落ちているケースです:
- 目的が伝わっていない
- 前提条件が共有されていない
- 優先順位が分からない
- 例外ルールが説明されていない
- 「なぜそれをするのか」が抜けている
これらは、
日本語が分かる・分からないとは別の問題です。
つまり、
「言葉」ではなく「情報の組み立て方」がズレているのです。
理由②:日本人同士なら“補完される情報”が補完されない
日本人同士のコミュニケーションでは、文化的・経験的な共通項が多いため、
多少説明が省略されても意味が補完されます。
しかし外国人社員には、その“補完の土台”がありません。
そのため、次のような情報がそのまま抜け落ちます:
- 省略された情報
- 暗黙の了解
- 行間の意味
- ニュアンス
- 例外ルール
結果として、
「言われた通りにやったのに違うと言われる」
という状況が生まれます。
理由③:指示が伝わらないときに起きている“構造”
指示が伝わらない場面では、次のような構造が起きています:
- 企業側:
「普通はこう理解するだろう」と思って説明している - 外国人社員側:
その“普通”の前提を持っていない - 結果:
受け取る情報の“階層”がズレる
つまり、
同じ言葉を使っていても、受け取る情報の構造が違うのです。
理由④:日本語力を上げても解決しない理由
企業がよく行う対策として、
- 日本語研修
- 日本語テスト
- ゆっくり話す
- 簡単な言葉にする
などがあります。
しかし、これらは“言語の問題”にしかアプローチしていません。
本質はそこではなく、
情報の構造化・整理・共有の問題です。
そのため、日本語力を上げても、
指示が伝わらない問題は根本的には解決しません。
まとめ:指示が伝わらない原因は“情報ギャップ”にある
外国人社員に指示が伝わらない原因は、
日本語力ではなく“情報ギャップ(情報構造のズレ)”にある。
特に以下の情報が共有されていないと、伝わりません:
- 目的
- 前提
- 優先順位
- 例外
- 背景
- 行間の意味
次回は、
指示が伝わらない企業に共通する“情報の欠落ポイント”
について整理します。
■ 次回予告
第2回は、
「指示が伝わらない企業に共通する“情報の欠落ポイント”」
指示が伝わらない原因となる“抜け落ちやすい情報”を整理します。
