社会保険労務士コラム

法改正対応、“就業規則を直すだけ”で本当に大丈夫ですか?

  • 2025.11.13


法改正対応、“就業規則を直すだけ”で本当に大丈夫ですか?

労働関連法の改正は毎年のように行われています。育児・介護休業法、労働基準法、安全衛生法など、企業が対応すべき制度は多岐にわたります。
そのたびに「就業規則を改定したから、もう大丈夫」と安心される企業担当者の方も多いかもしれません。
しかし、実務の現場では「規程を直しただけ」では対応が不十分なケースが少なくありません。
本記事では、法改正対応における“落とし穴”と、制度を定着させるために必要な視点について解説します。

✅ 法改正対応の“よくある誤解”

法改正対応というと、「就業規則を改定すれば完了」と考えがちです。
しかし、制度の“形”だけ整えて安心してしまうと、かえってトラブルの火種になることもあります。

⚠️ 実務で起こる“改定後の落とし穴”

たとえば、育児・介護休業法の改正により「出生後休業支援給付」や「育児時短就業給付」などの新制度が創設された場合、就業規則にその内容を反映することは当然の対応です。
しかし、実際の現場では以下のような問題が起こりがちです:

  • 社員が制度の存在を知らず、申請のタイミングを逃してしまう
  • 管理職が対応方法を理解しておらず、現場で混乱が起きる
  • 制度はあるのに誰も使わない(=制度が“死んでいる”状態)
  • 労基署の調査で「運用実態」を問われ、説明に窮する

こうした事態は、「制度設計」だけでなく「制度の定着」まで見据えた対応ができていないことが原因です。
法改正対応とは、単に文言を追加・修正することではなく、制度が現場で正しく運用され、社員に理解されている状態をつくることまで含めて初めて“対応済み”と言えるのです。

🔍 法改正対応に必要な3つの視点

法改正対応を“実効性のあるもの”にするためには、以下の3つの視点が欠かせません:

1. 制度設計(就業規則・社内ルールの整備)

改正内容を反映した文言の追加・修正だけでなく、既存制度との整合性や実務運用とのギャップも確認する必要があります。
制度の対象者・適用条件・手続きの流れなどを明文化することで、現場での判断ミスを防ぐことができます。

2. 社内浸透(社員説明・管理職研修・相談体制)

制度が“使える状態”になって初めて意味を持ちます。
社員への説明会や社内FAQの整備、管理職向けの対応マニュアル、相談窓口の設置など、制度を“知ってもらい、使ってもらう”ための仕組みが必要です。

3. 運用支援(実態把握・定期見直し・現場対応)

制度が現場で正しく使われているかの確認。
定期的な見直しと改善、現場からのフィードバックを踏まえた制度運用の調整が求められます。
特に、制度導入直後の“つまずき”を放置すると、制度そのものが形骸化してしまうリスクがあります。

💡 継続支援の価値

法改正は一度きりではありません。むしろ、「毎年何かしらの改正がある」ことを前提に、企業は備えておく必要があります。
その中で「制度を整えるだけでなく、使えるようにする」ためには、継続的な支援体制が欠かせません。

就業規則の改定はあくまで”スタート地点”です。
制度が現場に定着し、社員が安心して使える状態になるまでには、継続的な運用支援が欠かせません。
それが結果的に、社員の安心感や企業のリスク回避につながります。

📝 まとめ

法改正対応は、“就業規則を直すだけ”では不十分です。
制度設計・社内浸透・運用支援まで含めて初めて「対応済み」と言えるのです。
企業の皆さまが安心して制度を運用できるよう、継続的な支援体制の整備をぜひご検討ください。


📌 継続支援をご検討の方へ

制度の整備だけでなく、社内への浸透や運用支援まで含めた継続的なサポートをご希望の企業様へ。
当事務所では、貴社の実態に寄り添った労務顧問契約をご案内しております。


▶ 労務顧問契約の詳細はこちら

外国人雇用はこちら
外国人雇用福岡.com