社会保険労務士コラム

人事制度は就業規則と整合しているか?

  • 2025.11.13

制度は就業規則と整合しているか?

評価・昇格・賃金制度のルール化と社内説明の工夫

人事制度を整備した企業が見落としがちなのが、「就業規則との整合性」です。
等級制度、評価制度、賃金制度が設計され、社内説明資料も整っている。
しかし、就業規則にはその根拠が明記されていない――そんなケースは少なくありません。

社員から「昇格のルールはどこに書いてあるのか?」「評価結果に納得できない」と問われたとき、制度文書だけでは説明しきれないことがあります。
制度と就業規則が連動していなければ、制度の信頼性も揺らいでしまいます。

よくある整合性のズレ

制度と就業規則の整合性が取れていないと、以下のような問題が起こります。

  • 昇格・降格・評価・賃金制度が就業規則に明記されていない
  • 制度文書と就業規則の表現が食い違っている
  • 社内説明資料と規則の文言が異なり、社員が混乱する
  • 労務トラブル時に「規則に書かれていない」と指摘される

制度は企業の方針を示すものですが、就業規則は法的な根拠を持つ文書です。
この二つが噛み合っていなければ、制度の運用に不安が残ります。

整合性を取るための工夫

制度と就業規則の整合性を確保するには、以下のような工夫が有効です。

  • 就業規則に制度の根拠条文を新たに明記する
    例:就業規則第○条に「昇格は人事制度に基づき、等級の変更を行う」旨を記載する
  • 制度文書と就業規則の用語・定義を統一する
    「等級」「評価区分」「昇格基準」などの表現を揃える
  • 社内説明資料に「就業規則との関係」を明示する
    制度の位置づけや規則との連動を図解・注釈で補足する
  • 規則改定時は制度文書・説明資料も同時に更新する
    改定履歴を残し、社内FAQも整備することで透明性を担保

これらの工夫により、制度と規則の“二重構造”を防ぎ、社員の納得感と法的安定性を両立できます。

制度と規則が連動してこそ、運用は安定する

制度は企業の方向性を示すもの。
就業規則はその方向性を法的に裏付けるもの。
この二つが連動してこそ、制度は“本物”になります。

社員にとっても、「制度はどこに書いてあるのか」「昇格のルールはどうなっているのか」が明確になることで、納得感が生まれます。
また、労務トラブルや説明責任の場面でも、制度と規則が整合していれば、企業としての対応力が高まります。

制度設計・運用・浸透・改善――そのすべてのフェーズにおいて、就業規則との整合性は欠かせない視点です。
制度を“使える”状態にするために、規則との連動を丁寧に設計することが、企業の信頼と安定運用につながります。


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