特定技能外国人の労務管理:社内制度との連携設計
── 勤怠・賃金・評価制度との整合と、社内規程の見直しポイント
特定技能制度の活用が進む中、企業には「外国人だから特別扱い」という発想を改め、同じ仕事をしている日本人と比べて、労働条件や待遇に不公平がないように整えることが求められています。これは法令上の要件であり、処遇の差がある場合はその理由を明確に説明できるようにしておく必要があります。
しかし現場では、勤怠管理や賃金体系、評価制度が日本人社員向けに最適化されており、特定技能外国人との制度的な“ズレ”が生じやすいのが実情です。たとえば、残業時間の記録方法や昇給基準の説明が曖昧なままでは、本人の不安や不信感を招き、定着率の低下にもつながりかねません。
本記事では、特定技能外国人の労務管理を既存の社内制度とどう連携設計していくかを解説します。勤怠・賃金・評価の3領域を中心に、社内規程や運用ルールの見直しポイントを整理し、実務に落とし込むための視点を提供します。
勤怠管理との連携
- 出退勤・休憩・残業の記録は「実態と記録の乖離」が起きやすく、是正勧告の対象になることがあります。
- 外国人材が指示を誤解し、自主的に残業・休日出勤するケースもあるため注意が必要です。
- 対策:勤怠システムの多言語化、勤務ルールの図解・動画化、面談記録と実態把握の定期化
賃金制度との連携
- 最低賃金・割増賃金・同一労働同一賃金の考え方を明文化する。
- 雇用契約書・就業規則の多言語化と説明責任を果たすことが重要。
- 見直しポイント:基本給・手当・控除の構成、割増率、有給休暇の管理
評価制度との連携
- 特定技能2号への移行や昇格の道筋を明示することで定着率が向上。
- 評価基準が曖昧だと不満や離職につながる。
- 対策:職能評価・行動評価の明文化、昇格要件の多言語提示、面談・フィードバックの定期化
社内規程・運用ルールの見直し
- 日本人向けの就業規則・賃金規程だけでは不十分。
- 外国人材向けの補足規程や運用マニュアルを整備する。
- 登録支援機関との役割分担も明確にする。
まとめ
制度対応だけでなく、実務運用との連携が不可欠です。勤怠・賃金・評価の3領域を軸に、社内制度を再設計することで、外国人材の安心と企業の信頼を両立できます。
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