当事務所へのご相談として、「友人たちと共同で出資して会社を経営しようと思うんですけど、どのようにしたらいいですか?」というものがあります。この場合のビザは「経営管理」となるのですが、これについては少し注意が必要です。
経営管理ビザの条件の一つに「500万円以上の投資」があります。友人等と数人で出資する場合は、この「500万円以上の投資」の判断がポイントとなります。共同経営の場合は経営管理ビザを取得しようとする外国人一人につき「500万円以上の投資」が必要と考えられています。
入国管理局の取り扱いとしては、出資した人全員を経営管理ビザの対象とするわけではなく、それぞれの行う業務内容から、経営しているかどうかを判断することとなっています。そして、複数が経営に関わっている場合には、事業規模・業務量・売上・従業員数等などによって、その人数が必要とされる程度なのかを判断していきます。この結果、経営管理ビザで日本に在留する外国人は、原則として「一つの会社につき一人まで」と考えて頂いて構わないと思います。
では、なぜ一つの会社につき一人までしか経営管理ビザの許可が出ないのでしょうか?
500万円以上の投資という条件は事業の継続性・安定性から導かれる条件です。
これを前提に考えると、複数人の外国人が一つの事業に500万円以上の投資をした場合、出資をした全ての外国人が投資経営ビザをとれるようにも考えられます。ですが、会社を経営する場合には、上場企業などの大規模な会社以外は大人数が経営に関与するということは、通常考えにくいものです。
例えば、中規模または小規模の会社で経営者がたくさんいると、必然的にその会社の方向性が定まりにくくなりますね。このような理由から、入国管理局の取り扱いとしては、出資した人全員を投資経営ビザの対象とするわけではなく、それぞれの行う業務内容から、経営しているかどうかを判断することとなっているのではないかと思います。この場合には、事業規模・業務量・売上・従業員数などが考慮されます。
もし仮に共同出資者の外国人の方が経営管理ビザを取れない場合には、経営管理ビザ以外の外国人は「技術」や「人文知識・国際業務」というビザで働くことも可能です。この場合は、大学の卒業や10年以上の実務経験などの条件がありますので注意が必要です。