厚生労働省から、令和3年10月末現在の外国人雇用についての届出状況が公表されました。
外国人雇用状況については、外国人の雇入れ・離職時に、氏名・在留資格・在留期間などを厚生労働大臣(ハローワーク)に届け出るよう全ての事業主に義務付けられています。
※外国人雇用状況はこれらの届出に基づく集計のため、届出をされていないケース等もあり、実際の数字を正確に反映しているわけではないものと考えられます。
外国人労働者数の推移
(「厚生労働省 外国人雇用状況」参照)
外国人労働者数については、全体として増加傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、2020年10月末の統計以降は増加率が鈍化傾向にあります。
2021年10月末時点で外国人労働者数が多い国は、ベトナム(453,344人)・中国(397,084人)・フィリピン(191,083人)の順となっています。
2021円10月末時点で産業別の割合は、製造業が27.0%・サービス業が16.3%・卸売業小売業が13.3%・医療福祉が3.3%となっています。このうち、医療福祉については前年に比べて大幅に増加しています。
ベトナム人労働者数の推移
(「厚生労働省 外国人雇用状況」参照)
2021年10月末時点でベトナム人労働者数は453,344人となっており、最も多くなっています。
ベトナム人労働者の在留資格別の特徴として、技能実習・資格外活動(留学、家族滞在など)・専門的技術的分野(技術・人文知識・国際業務など)の順に多くなっており、技能実習やアルバイトが多いのが分かります。
中国人労働者数の推移
(「厚生労働省 外国人雇用状況」参照)
2021年10月末時点で中国人労働者数は397,084人となっており、2番目に多くなっています。
中国人労働者の在留資格別の特徴として、専門的技術的分野(技術・人文知識・国際業務など)・身分に基づく在留資格(永住者など)・資格外活動(留学、家族滞在など)の順に多くなっており、技能実習よりも正社員が多いのが分かります。
フィリピン人労働者数の推移
(「厚生労働省 外国人雇用状況」参照)
2021年10月末時点でフィリピン人労働者数は191,083人となっており、3番目に多くなっています。
フィリピン人労働者の在留資格別の特徴として、身分に基づく在留資格(永住者など)・専門的技術的分野(技術・人文知識・国際業務など)・技能実習の順に多くなっており、ほとんどが身分に基づく在留資格(永住者、日本人の配偶者等、定住者など)となっているのが分かります。
ネパール人労働者数の推移
(「厚生労働省 外国人雇用状況」参照)
2021年10月末時点でネパール人労働者数は98,260人となっており、5番目に多くなっています。
ネパール人労働者の在留資格別の特徴として、資格外活動(留学、家族滞在など)・専門的技術的分野(技術・人文知識・国際業務など)・身分に基づく在留資格(永住者、日本人の配偶者等、定住者など)の順に多くなっており、アルバイトと正社員がほとんどを占めいているのが分かります。
2021年10月末時点での外国人労働者数は増加しているものの、前年までの増加率からは減少しています。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、厳格な水際対策もあり、外国人の新規入国ができない状況が継続していたため、外国人労働者数の増加も少なくなってきています。
2022年3月からはERFSを通じて受付済証の発行を受けることにより、商用や就労を目的として新規入国する外国人については特段の事情があるものとされて、新規入国が認められることとなりました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が落ち着き、経済が回復してくるとともに人材不足となる可能性も考えられます。現時点では、水際対策などにより技能実習生や留学生は大幅に減少しているため、急に増やすということも現実的ではありません。
しかしながら、人手不足をアルバイトなどの資格外活動(留学、家族滞在など)で賄っている事業所も多いため、人手不足にどのように対応していくかが今後の大きな課題になりそうです。