入管法改正を受けて、「特定技能」という新たな在留資格が創設されることとなりました。
それに伴い、分野別に運用方針が定められています。
今回は、「農業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」についてみていきます。
~概要~
◆受入れ見込数
農業分野における向こう5年間の受入れ見込数は、最大3万6,500人であり、受入れの上限とする。
◆人材の基準
農業分野においては、以下の試験の合格者とする。
(1) 技能水準(試験区分)
ア「農業技能測定試験(仮称)(耕種農業全般)」
イ「農業技能測定試験(仮称)(畜産農業全般)」
(2) 日本語能力水準
「日本語能力判定テスト(仮称)」又は「日本語能力試験(N4以上)」
◆1号特定技能外国人が従事する業務
ア「農業技能測定試験(仮称)(耕種農業全般)」:耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等)
イ「農業技能測定試験(仮称)(畜産農業全般)」:畜産農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等)
◆特定技能所属機関に対して課す条件
ア 直接雇用形態の場合、特定技能所属機関となる事業者は、労働者を一定期間以上雇用した経験があること。
イ 労働者派遣形態の場合、次の要件を満たすこと。
(ア) 特定技能所属機関となる労働者派遣事業者は、農業現場の実情を把握しており説く低技能外国人の受入れを適正かつ確実に遂行するために必要な能力を有していること。
(イ) 外国人材の派遣先となる事業者は、労働者を一定期間以上雇用した経験がある者又は派遣先責任者講習等を受講した者を派遣先責任者とする者であること。
ウ 特定技能所属機関は、「農業特定技能協議会(仮称)」の構成員になること。
エ 特定技能所属機関及び派遣先事業者は、協議会に対し必要な協力を行うこと。
オ 特定技能所属機関は、登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託するに当たっては、協議会に対し必要な協力を行う登録支援機関に委託すること。
◆特定技能外国人の雇用形態
農業分野の事業者を特定技能所属機関とする直接雇用形態及び労働者派遣事業者を特定技能所属機関として
外国人材を農業分野の事業者に派遣する労働者派遣形態とする。
◆労働者派遣形態により受け入れる必要性
農業分野においては、①冬場は農作業ができないなど、季節による作業の繁閑がある、②同じ地域であっても、
作目による収穫や定植等の農作業のピーク時が異なるといった特性があり、農繁期の労働力の確保や複数の産
地間での労働力の融通といった農業現場のニーズに対応するため、農業分野の事業者による直接雇用形態に加
えて、労働者派遣形態により1号特定技能外国人を受け入れることが不可欠である。