高度外国人材に対しては、受入れ促進のため、高度人材ポイント制を活用した制度があり、高度外国人材の方々は、在留資格「高度専門職」を取ることができます。
高度外国人材の3つの分類
「高度学術研究活動」:在留資格「高度専門職1号イ」
日本の公私の機関との契約に基づいて行う研究、研究の指導又は教育をする活動
法律では・・・
法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導若しくは教育をする活動
分かりにくいので、簡単に言うと
+
という内容になり、複合的な活動ができることが分かります。
「高度専門・技術活動」:在留資格「高度専門職1号ロ」
日本の公私の機関との契約に基づいて行う自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動
法律では・・・
法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動
分かりにくいので、簡単に言うと
+
という内容になり、複合的な活動ができることが分かります。
「高度経営・管理活動」:在留資格「高度専門職1号ハ」
日本の公私の機関において事業の経営を行い又は管理に従事する活動
法律では・・・
法務大臣が指定する本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動
分かりにくいので、簡単に言うと
+
という内容になり、複合的な活動ができることが分かります。
※関連する事業の経営についての注意点
高度専門職の各類型で共通する「関連する事業の経営」については、「関連する」という文言がポイントとなります。
したがって、ITが主たる活動となる場合に、同時に飲食店を経営するというようなことは認められません。
高度専門職の7つの特典
高度外国人材と認められ、在留資格「高度専門職」を付与される場合には、出入国管理上の優遇措置があります。
1 複合的な在留活動が可能
外国人が在留資格を持って日本で活動する場合には、一つの在留資格で認められた活動しか行うことができませんが、在留資格「高度専門職」では複合的な在留活動を行うことが認められます。
研究活動と同時に関連する事業の経営を行うというように複合的な活動が可能となります。
2 在留期間が「5年」
在留資格「高度専門職」では、在留期間5年が付与されます。
この在留期間5年というのは、在留資格「高度専門職1号(イ)(ロ)(ハ)」に付与され、在留資格「高度専門職2号」の場合は、無期限となります。
3 永住許可要件の緩和
永住許可を受けるためには、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが必要です。
在留資格「高度専門職」ではこの期間が特例的に短縮されます。
①高度人材ポイント制のポイント計算で70点以上:3年
②高度人材ポイント制のポイント計算で80点以上:1年
4 配偶者の就労
「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格(就労ビザ)の活動には、学歴や職歴などの要件を満たす必要があります。
しかし、在留資格「高度専門職」の配偶者は、学歴や職歴などの要件を満たさない場合でも、就労を行うことが可能となります。
5 親の帯同が可能
現行の法律では、親を呼び寄せることは原則として認められていませんが、在留資格「高度専門職」では、以下の場合には一定の条件で親を呼び寄せることが認められます。
①高度外国人材又は配偶者の7歳未満の子を養育する場合
②高度外国人材の妊娠中の配偶者又は妊娠中の高度外国人材本人の介助等を行う場合
主な要件
〇高度外国人材の世帯年収が800万円以上であること
〇高度外国人材と同居すること
〇高度外国人材又はその配偶者のどちらかの親に限ること
6 家事使用人の帯同が可能
外国人の家事使用人の雇用については、一定の在留資格(「経営・管理」「法律・会計業務」等)で在留する外国人に対してしか認められていませんが、在留資格「高度専門職」では、一定の要件で家事使用人を呼び寄せることが認められます。
主な要件
①外国で雇用していた家事使用人を引き続き雇用する場合の条件(入国帯同型)
〇高度外国人材の世帯年収が1,000万円以上あること
〇帯同できる家事使用人は1名まで
〇家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること
〇高度外国人材とともに日本に入国する場合は、帯同する家事使用人が日本入国前に1年以上当該高度外国人材に雇用されていた者であること
〇高度外国人材が先に日本に入国する場合は、帯同する家事使用人が日本入国前に1年以上当該高度外国人材に雇用され、かつ、当該高度外国人材が日本へ入国後、引き続き当該高度外国人材又は当該高度外国人材が日本入国前に同居していた親族に雇用されている者であること
〇高度外国人材が日本から出国する場合、ともに出国することが予定されていること
②①以外の家事使用人を雇用する場合(家庭事情型)
〇高度外国人材の世帯年収が1,000万円以上あること
〇帯同できる家事使用人は1名まで
〇家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること
〇家庭の事情(申請の時点において、13歳未満の子又は病気等により日常の家事に従事することができない配偶者を有すること)が存在すること
7 入国・在留手続の優先処理
高度外国人に対する入国・在留審査は、優先的に早期処理が行われます。
〇入国事前審査に係る申請については申請受理から10日以内
〇在留審査に係る申請については申請受理から5日以内
ポイント計算事例
高度外国人材と認められる場合には、在留資格「高度専門職」を取ることができ、上記の優遇措置を受けることができます。
そのためには、まずポイント計算をして70点以上である必要がありますが、このポイント計算については以前よりもハードルは低くなってきているので、ぜひ一度ポイント計算をしてみてください。
1 日本の大学を卒業して22歳で日本企業に就職したAさん(28歳)は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」を保持し、年収は700万円です。
(計算例):高度専門・技術分野
〇大学を卒業 :10点
〇職歴6年 :10点
〇年収700万 :25点
〇年齢28歳 :15点
〇日本の大学を卒業:10点
70点
2 Bさん(42歳)は、北京師範大学を卒業し、30歳から日本で株式会社の代表取締役として事業を経営(在留資格は経営・管理)していて、年収は2000万円です。
(計算例):高度経営・管理分野
〇大学を卒業 :10点
〇職歴12年 :25点
〇年収2000万 :30点
〇代表取締役 :10点
〇告示大学卒業 :10点
85点
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