入管法の定めにより、日本への上陸を拒否される外国人であっても、特別に上陸を許可される場合があります。
それが、「上陸特別許可」です。
まずは入管法に規定されている、日本へ上陸できる要件を確認してみましょう。
日本へ上陸できる要件
- 旅券及び査証が有効であること
- 日本での活動が虚偽ではなく、いずれかの在留資格に該当し上陸許可基準を満たしていること
- 在留期間が法務省令の規定に適合していること
- 上陸を拒否される事由がないこと
これらを満たすことで日本へ上陸することができます。
しかし、上記の4.がある場合には日本への上陸はできません。
例えば、犯罪を行った者・違法薬物を使用した者・人身取引等を行った者などなど入管法に細かく規定されています。この場合には、日本への上陸が拒否されることになりますが、人道的理由などから法務大臣の裁量で上陸を許可することができます。
この許可のことを、「上陸特別許可」と言います。
では、次に「上陸特別許可」について具体的に確認してみましょう。
入管法の規定によると「上陸特別許可」には、以下の3つのパターンがあります。
上陸特別許可のパターン
- 再入国の許可を受けているとき
- 人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に入ったものであるとき
- その他法務大臣が特別に上陸を許可すべき事情があると認めるとき
この中でも、上記③のうち、人道的な理由(婚姻などの理由)がある場合が最も多いパターンではないかと思います。そこで、この場合の「上陸特別許可」が認められるための最低限の要件について以下に記載します。
最低限の要件
- 日本人・特別永住者・永住者・定住者との婚姻しており、真実のものであること
- 在留資格認定証明書交付申請の時に、退去強制後2年以上が経過していること
- 在留資格認定証明書交付申請の時に、婚姻後1年以上が経過していること
- 執行猶予付き有罪判決を受けた後に退去強制となった場合は、在留資格認定証明書交付申請の時に、執行猶予期間が経過していること
これらが一応の最低限の要件となります。
そのため、これらの要件が揃ってさえいれば許可されるというものではなく、やはり、「上陸特別許可」を受けるためには多くの資料を揃え、主張立証していくことが必要不可欠です。