2019年3月20日、法務省より在留資格「特定技能」に関する「特定技能運用要領・様式等」が公表されました。
今回は「特定技能」について、「特定技能所属機関に関する基準」(適合特定技能雇用契約の適正な履行の確保)を見ていきます。
特定技能所属機関は、特定技能雇用契約の適正な履行が確保されるものとして特定技能基準省令で定める基準に適合するものでなければならない
以下、特定技能雇用契約の相手方の基準の内容を見ていきます。
(1) 労働、社会保険及び租税に関する法令の規定の遵守に関するもの
特定技能所属機関が労働関係法令、社会保険関係法令及び租税関係法令を遵守していること
(2) 非自発的離職者の発生に関するもの
特定技能所属機関が、現に雇用している国内労働者を非自発的に離職させ、その補填として特定技能外国人を受け入れることは、人手不足に対応するための人材の確保という本制度の趣旨に沿わないことから、特定技能外国人に従事させる業務と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと
(3) 行方不明者の発生に関するもの
特定技能所属機関が雇用する外国人について責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させている場合には、当該機関の受入れ体制が十分であるとはいえないことから、雇用契約締結の日の前1年以内及び当該契約締結後に行方不明者を発生させていないこと
(4) 関係法律による刑罰を受けたことによる欠格事由
所定の事項に該当する者が、関係法律による刑罰を受けている場合には、欠格事由に該当し、特定技能所属機関になることはできない
(5) 特定技能所属機関の行為能力・役員等の適格性に係る欠格事由
所定の事項に該当する者は、行為能力・役員等の適格性の観点からの欠格事由に該当し、特定技能所属機関になることはできない
(6) 実習認定の取消しを受けたことによる欠格事由
実習実施者として技能実習生を受け入れていた際に実習認定の取消しを受けた場合、当該取消日から5年を経過しない者は、特定技能所属機関になることはできない
(7) 出入国又は労働関係法令に関する不正行為を行ったことに関するもの
特定技能雇用契約の締結の日前5年以内又はその締結の日以後に、出入国又は労働関係法令に関する不正行為等を行った者は、欠格事由に該当し、特定技能所属機関になることはできない
(8) 暴力団排除の観点からの欠格事由
所定の事項に該当する者は、暴力団排除の観点からの欠格事由に該当し、特定技能所属機関になることはできない
(9) 特定技能外国人の活動状況に係る文書の作成等に関するもの
特定技能所属機関は、特定技能外国人の活動状況に関する文書を作成し、特定技能外国人が業務に従事する事業所に備えおくこと
(10)保証金の徴収・違約金契約等による欠格事由
特定技能所属機関が、特定技能外国人及びその親族等が、保証金の徴収や財産の管理又は違約金契約を締結させられているなどの場合には、そのことを認識して特定技能雇用契約を締結していないこと
(11)支援に要する費用の負担に関するもの
1号特定技能外国人に対する支援に要する費用は、本制度の趣旨に照らし、特定技能所属機関等において負担すべきものであることから、1号特定技能外国人に直接的又は間接的にも負担させないこと
(12)派遣形態による受入れに関するもの
派遣労働者として受入れをする場合には、派遣元は当該外国人が従事することとなる特定産業分野に関する業務を行っていることなどが求められるほか、出入国在留管理庁長官と当該特定産業分野を所管する関係行政機関の長との協議により適当であると認められた場合に限られる
(13)労災保険法に係る措置等に関するもの
特定技能外国人への労働者災害補償保険の適用を確保するため、特定技能所属機関が労災保険の適用事業所である場合には、労災保険に係る保険関係の成立の届出を適切に履行していること
(14)特定技能雇用契約継続履行体制に関するもの
特定技能所属機関が、特定技能外国人の安定した就労活動を確保するため、特定技能雇用契約を継続して履行する体制を有していること
(15)報酬の口座振込み等に関するもの
特定技能外国人に対する報酬の支払をより確実かつ適正なものとするため、当該外国人に対し、報酬の支払方法として預金口座への振込みがあることを説明した上で、当該外国人の同意を得た場合には、預貯金口座への振込み等により行うこと
(16)分野に特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの
特定産業分野ごとの特有の事情に鑑みて個別に定める基準に適合していること