留学生が日本の会社に就職する場合は、在留資格を「留学」から「人文知識・国際業務」や「技術」などに変更する必要があります。コックが独立して自分のお店を経営する場合は、在留資格を「技能」から「投資・経営」に変更する必要があります。このように、現在持っている在留資格と異なる活動を行いたい場合は、在留資格変更許可申請が必要です。
入管法の規定には、「・・・法務大臣は、・・・在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができる。」と規定されています。つまり、在留資格の変更は「許可することができる」ということですね。
「許可することができる」という規定の仕方から考えると、当然「許可しないこともできる」ということです。
例えば、自分が持っている在留資格の資格外活動を無許可で行っていた場合や、法令違反をして処罰された場合などです。
そのため、在留資格変更許可申請が必ず許可されるというわけではありません。申請の方法としては、必要書類を用意して在留資格変更許可申請をすることになりますが、必要書類は在留資格の種類によって異なります。在留資格変更許可申請は、在留期間更新許可申請と違い、変更を希望する時に申請することができます。
共通する必要なものとしては、原則として以下のものです。
- 在留資格変更許可申請書
- 顔写真
- 在留カードの写し(表裏)
- パスポート
- 手数料4,000円
これらの書類と在留資格に応じて必要とされる資料を添付して、在留資格変更許可申請をすることになります。
次に必要書類について書いていきます。
在留資格変更許可申請の必要書類に関しては、在留資格によって違ってくるので、例をあげて説明します。
コックとして働いている外国人が、独立してお店を経営したい場合
この場合、コックとしての在留資格は「技能」、事業の経営者としての在留資格は「投資経営」となるので、「技能」から「投資経営」の在留資格変更許可申請をする必要があります。
一般的には以下のような書類が必要になります。
- 申請書
- 写真
- パスポート
- 在留カード(外国人登録証)
- 投資額を明らかにする資料
- 事業内容を明らかにする資料
- 申請人の活動内容、期間、地位、報酬等を明らかにする資料
- 賃貸借契約書等
- 直近年度の決算書(既存事業)
- 事業計画書(新規事業)
- 申請理由書
※上記は申請に最低限必要な書類で、それぞれの状況に応じて追加資料が必要です。
留学生が日本の大学を卒業して、日本の会社に就職する場合
(申請人)
- 申請書
- パスポート
- 在留カード(外国人登録証)
- 住民票
- 履歴書
- 大学の卒業証明書
- 大学の成績証明書
- 推薦状
- 資格を証する書類(日本語能力検定等)
- 申請理由書
(会社)
- 雇用契約書(業務内容・契約期間・報酬額等)
- 履歴事項全部証明書
- 事業計画書(1年分)
- 事務所案内(パンフレット等)
- 雇用理由書
※上記は申請に最低限必要な書類で、それぞれの状況に応じて追加資料が必要です。
これらの書類が必要ですが、「在留資格該当性」「相当性」も満たす必要があるので、在留資格変更許可申請はかなりの準備が必要になってきます。
在留資格変更許可申請には以下の要件があります。
- 在留資格を有する外国人であること
- 変更後の在留資格に在留資格該当性があること
- 変更を適当と認めるに足りる相当性があること
「短期滞在」については、この3つの要件に加えて、「変更申請がやむをえない特別の事情に基づくものであること」という要件も必要です。そのため、「短期滞在」で日本に入国した外国人は、原則として在留資格変更許可申請はできないという取り扱いになっています。
例えば、観光のために「短期滞在」で日本に入国した外国人が、このまま日本で働きたいと思って「短期滞在」から「人文知識・国際業務」や「技術」などに在留資格を変更しようとしてもできません。
そうなると、「短期滞在」の在留資格変更許可申請が認められる「やむをえない特別の事情」というものがどのような事情なのかが気になりますよね。
「やむをえない特別の事情」とは、日本に入国した後に事情が変わって、当初の在留目的が変わってしまったが(例えば、日本人の恋人に会いに来たつもりが結婚することになった等)、わざわざ出国して新たな手続きをして入国するよりも、そのまま日本に在留しても問題がないと認められる事情のことです。また、「短期滞在」で日本に在留している時に、在留資格認定証明書が交付された場合は、これに基づいて在留資格変更許可申請ができる取り扱いになっています。
「短期滞在」で日本に入国して、在留資格変更許可申請をしようと考えている方はお気を付け下さい。