2010年に外国人技能実習制度という新しい枠組みができてから、5年が経っています。
その中で、厚生労働省の立入調査によると、労働安全衛生法や労働基準法などの法令違反が散見され続けているようです。外国人労働者に対して、低賃金労働や長時間労働をさせている事業所が多いということですね。もちろん、適正に法令を遵守し、外国人労働者を受け入れている事業所もあるかと思います。
そのような中で、法令違反が過去最多という結果が公表されました。
厚生労働省は30日、平成26年に労働基準法などに基づいて立ち入り調査した外国人技能実習生が働く3918事業所のうち、約4分の3に当たる2977事業所で法令違反があったと公表した。違反事業所の数は統計が公表された15年以降、過去最多。厚労省の担当者は「実習生の劣悪な労働環境が社会的に注目されている。違反率は高く、引き続き指導、監督していく」と話した。
厚労省によると、調査した事業所の数も最多だった。違反の内訳は、違法に時間外労働をさせていた労基法違反が1010事業所(25.8%)と最も多い。業務の安全配慮が不十分といった労働安全衛生法違反が919事業所(23.5%)、時間外労働などへの割増賃金の不払いが698事業所(17.8%)と続いた。複数の法令に違反した事業所もあった。
時給が約310円だったり、労使協定に違反して月に約120時間を超える時間外労働をさせたりしたケースもあった。“(産経ニュースより)
外国人技能実習制度という新しい枠組みができてもなお、このような状況が続いています。
現状の技能実習制度では、外国人技能実習生が日本に在留できる期間は最長3年ですが、規制緩和により、最長5年に延ばされることになるかと思います。そうすると、現在の状況が続くようであれば、更なる法令違反の増加という事態になりかねません。それを受けて、このような法令違反の抑制のために、「外国人技能実習機構」という監督機関を新設する予定もあるようです。
今後の外国人技能実習制度の動向が注目されるところです。