社会保険労務士コラム

家族滞在の配偶者が働くときの注意点|社会保険加入・収入増と入管審査の関係

  • 2026.6.24

家族滞在の配偶者が働くときの注意点|社会保険加入・収入増と入管審査の関係

家族滞在ビザで在留する配偶者が働く場合、「週28時間以内なら大丈夫」 と理解されがちですが、実際には
社会保険加入・収入増・複数勤務先の合計時間・生活実態 など、入管審査に影響するポイントが複数あります。

本記事では、家族滞在の配偶者が働く際に注意すべき点を、入管法と社会保険の両面から整理します。


家族滞在ビザの就労管理や更新に不安がある企業様へ。
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この記事で分かること


1. 家族滞在ビザで働くための基本ルール

■ 資格外活動許可が必要

家族滞在ビザで働くには、資格外活動許可(アルバイト許可) が必要です。

■ 週28時間以内の制限

資格外活動許可がある場合でも、週28時間以内 の就労が上限です。
28時間を超えると資格外活動違反となり、更新不許可の典型例です。


2. 資格外活動許可の「週28時間以内」の正しい考え方

■ 「月〜日で28時間以内」ではない

多くの方が「月曜日〜日曜日の1週間で28時間以内ならOK」と理解していますが、これは誤りです。

■ 正しくは「どの連続する7日間でも28時間以内」

入管が採用している考え方は、どの連続する7日間を切り取っても、合計28時間以内であること です。

例:
・月〜日
・火〜月
・水〜火
・木〜水
すべての7日間で28時間以内である必要があります。

月末と月初をまたぐシフトや、土日に偏った勤務でも、連続7日間で28時間を超えれば違反 となります。

【よくある違反例】
・土日に長時間勤務 → 金〜木の7日間で超過
・月末と月初の勤務が重なり、7日間で超過
・2つの勤務先の合計で超過(典型例)

3. 複数の勤務先の合計で28時間以内であること

■ 1つの勤務先ごとに「28時間以内」ではない

「A社で20時間、B社で20時間だから問題ない」という理解は誤りです。

■ 正しくは「すべての勤務先の合計で28時間以内」

資格外活動許可の「週28時間以内」は、就労するすべての勤務先の合計労働時間 を指します。

例:
・A社:15時間
・B社:10時間
・C社:5時間
合計30時間 → 資格外活動違反

■ 入管は合計時間を厳密に確認する

更新審査では、出勤簿・賃金台帳・雇用契約書・給与振込記録などを照合し、
複数勤務先の合計が28時間以内か を確認します。


4. 外国人雇用状況届出により勤務先は行政に把握される

外国人を雇用する企業には、外国人雇用状況届出(雇用対策法28条) が義務付けられています。

この届出には、氏名・在留資格・在留期間・勤務先情報などを記載するため、
外国人がどの勤務先で働いているかは行政側に把握される仕組み になっています。

そのため、以下の状況はすぐに判明します。

  • 本人が複数の勤務先で働いている
  • 合計で週28時間を超えている

■ 合計時間超過は企業側にもリスク

複数勤務先の合計で週28時間を超えると、本人が資格外活動違反となるだけでなく、
企業側も不法就労助長罪(入管法73条の2)に問われる可能性 があります。

■ 他社での勤務状況を本人に確認しておくことが望ましい

採用時やシフト調整の際に、

  • 他社で働いているか
  • 合計で28時間以内に収まっているか

といった点を本人に確認しておくことが、リスク回避の観点から望ましいといえます。


5. 社会保険加入は「扶養否定」ではないが、入管は理由を確認する

家族滞在の配偶者が働くと、一定の収入・労働時間に達した場合、社会保険に加入することがあります。

ここでよくある誤解が、
「社会保険に加入したら扶養されていないと判断されるのでは?」
という相談です。

■ 結論:社会保険加入=扶養否定ではない

社会保険の扶養と、入管法上の「扶養を受ける」は別制度です。

■ 入管が確認するポイント

  • 労働時間が増えていないか(28時間超の有無)
  • 収入が生活費の中心になっていないか
  • 扶養者の収入で家族が生活できているか
  • 社会保険加入の理由が制度上のものか

6. 収入が増えた場合、入管はどう判断するか

家族滞在の要件は、「扶養者から生活費の大部分を受けていること」 です。

■ 入管が見るポイント

  • 本人の収入が生活費の中心になっていないか
  • 扶養者の収入で家族が生活できるか
  • 収入増が28時間以内の範囲で発生しているか
  • 就労先・労働時間・給与の整合性

特に、扶養者より本人の収入が多いケース は要注意です。


7. 家族滞在ビザの更新不許可につながる典型例

① 週28時間を超えて働いていた

最も多い不許可理由。出勤簿・給与明細で即判明します。

② 本人の収入が生活費の中心になっている

扶養要件を満たさない可能性があります。

③ 社会保険加入の理由が説明できない

労働時間増加を疑われることがあります。

④ 扶養者の収入が極端に少ない

家族の生活が成り立たないと判断されることがあります。


【注意】 家族滞在ビザの更新不許可は、企業側の管理不足が原因となるケースもあります。
不安がある場合は、早めに専門家へご相談ください。
→ 無料相談はこちら

8. 企業が注意すべき労務管理ポイント

  • 連続7日間で28時間以内かを確認する
  • 複数勤務先の合計時間を本人に確認する
  • 外国人雇用状況届出の内容と整合性を確保する
  • 出勤簿・賃金台帳・契約書の整合性を確認する
  • 社会保険加入の基準を理解する
  • 外国人本人に制度を説明する

まとめ

家族滞在ビザの配偶者が働く場合、週28時間・連続7日間・複数勤務先の合計・社会保険加入・収入増 といった要素が入管審査に影響します。

特に、

  • 連続7日間で28時間超
  • 複数勤務先の合計で28時間超
  • 本人(家族滞在)の収入が生活費の中心
  • 社会保険加入の理由が不明確

といったケースは、更新不許可のリスクが高まります。
正しい理解と適切な管理が、家族滞在ビザの安定した更新につながります。


よくある質問(FAQ)

Q1. 家族滞在ビザの配偶者は、週28時間を超えて働けますか?

いいえ。資格外活動許可がある場合でも、どの連続する7日間でも合計28時間以内である必要があります。
「月〜日で28時間以内」ではなく、連続7日間ルールで判断されます。

Q2. 複数の勤務先で働く場合、28時間はどう計算されますか?

すべての勤務先の合計労働時間で判断されます。
例:A社15時間+B社10時間+C社5時間=合計30時間 → 資格外活動違反となります。

Q3. 社会保険に加入すると、家族滞在ビザの更新に影響しますか?

社会保険加入=扶養否定ではありません。
ただし入管は、労働時間の増加や収入増の理由を確認するため、説明できる状態にしておくことが重要です。

Q4. 本人の収入が増えると、家族滞在ビザは不利になりますか?

本人の収入が生活費の中心になると、扶養要件を満たさないと判断される可能性があります。
特に、扶養者より本人の収入が多い場合は注意が必要です。

Q5. 週28時間を超えて働いていた場合、更新は不許可になりますか?

はい。更新不許可の典型例です。
出勤簿・給与明細・賃金台帳で簡単に判明するため、言い逃れはできません。

Q6. 企業側は何を確認しておくべきですか?

企業には、不法就労助長罪(入管法73条の2)のリスクがあります。
そのため、以下の確認が重要です:

  • 連続7日間で28時間以内か
  • 複数勤務先の合計時間
  • 外国人雇用状況届出との整合性
  • 社会保険加入の基準


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