外国人アルバイトの掛け持ち(ダブルワーク)と週28時間|入管審査の注意点と企業のリスク
外国人留学生や家族滞在の配偶者などが、アルバイトを掛け持ち(ダブルワーク) するケースは少なくありません。
しかし、掛け持ちをするときに必ず意識しなければならないのが「週28時間」の上限です。
本記事では、外国人アルバイトの掛け持ちに関して、
資格外活動許可の範囲・週28時間の考え方・入管審査のポイント・企業側のリスク を整理します。
この記事で分かること
1. 外国人アルバイトは掛け持ち(ダブルワーク)できるのか
■ 資格外活動許可があれば「掛け持ち自体」は可能
留学ビザや家族滞在ビザなどで在留している外国人は、資格外活動許可 を受けていれば、原則として複数の勤務先で働くこと(掛け持ち・ダブルワーク)は可能です。
ただし、ここで重要なのは、
「どの勤務先も資格外活動許可の範囲内であること」 と、
「すべての勤務先の合計で週28時間以内であること」 の2点です。
■ 資格外活動許可の範囲を超える業種はNG
風俗営業に該当する業務など、資格外活動許可の対象外となる業種 もあります。
掛け持ちの有無にかかわらず、許可の範囲外で働くと不法就労となります。
2. 掛け持ちの場合の「週28時間」の正しい考え方
■ 1つの勤務先ごとに「28時間以内」ではない
よくある誤解が、
「A社で20時間、B社で20時間だから、どちらも28時間以内で問題ない」
という考え方です。
これは誤りで、資格外活動許可の「週28時間以内」は、
すべての勤務先の合計労働時間 を指します。
■ 正しくは「すべての勤務先の合計で週28時間以内」
例:
・A社:15時間
・B社:10時間
・C社:5時間
→ 合計30時間 → 資格外活動違反
■ 「どの連続する7日間でも28時間以内」であること
さらに入管は、「月曜〜日曜」など固定の週 ではなく、
どの連続する7日間を切り取っても28時間以内 かどうかで判断します。
掛け持ちをしていると、
・A社のシフトとB社のシフトが特定の週に集中する
・月末と月初に勤務が偏る
といった形で、本人も気づかないうちに連続7日間で28時間を超えるケースがよくあります。
・掛け持ちの場合、「1社ごとに28時間以内」ではなく「合計で28時間以内」
・さらに「どの連続7日間でも28時間以内」であることが必要
3. 入管審査で見られるポイント
■ 出勤簿・賃金台帳・給与振込記録などで実態を確認
在留期間更新や在留資格変更の審査では、入管は次のような資料を通じて、就労実態 を確認します。(既定の提出書類ではありませんが、疑義がある場合に追加提出が求められることがあります。)
- 出勤簿・シフト表
- 賃金台帳・給与明細
- 雇用契約書
- 給与振込記録
掛け持ちをしている場合、複数の勤務先の資料を総合して「合計で週28時間以内か」 がチェックされます。
■ 外国人雇用状況届出から勤務先は把握される
外国人を雇用する企業には、外国人雇用状況届出(雇用対策法28条) が義務付けられています。
この届出により、外国人がどの勤務先で働いているかは行政側に把握される仕組み になっています。
そのため、
・複数の勤務先で働いている
・合計で週28時間を超えている
といった状況は、届出情報や給与支払報告書などから容易に判明します。
4. 掛け持ちで週28時間を超えた場合のリスク
■ 本人側のリスク:資格外活動違反・在留期間更新への影響
掛け持ちにより週28時間を超えると、資格外活動違反 となり、
在留期間更新や在留資格変更の際に不許可となる可能性があります。
特に、
・繰り返し超過している
・長期間にわたり超過している
といった場合は、「在留資格の本来の目的から逸脱している」 と判断されるおそれがあります。
■ 企業側のリスク:不法就労助長罪の可能性
複数勤務先の合計で週28時間を超えていることを知りながら雇用を続けた場合、
企業側が不法就労助長罪(入管法73条の2)に問われる可能性 があります。
「うちは28時間以内だから関係ない」と考えていても、
実際には他社との合計で超過していれば、結果としてリスクを負う立場 になり得ます。
掛け持ちの管理は複雑で、企業側の確認不足が不法就労助長罪につながるケースもあります。
不安がある企業様は、早めに専門家へご相談ください。
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5. 企業が確認しておくべきポイント
■ 採用時に確認しておきたい事項
- 在留カードの在留資格・在留期間
- 資格外活動許可の有無(スタンプ・シールの確認)
- 他社での勤務の有無(掛け持ちしているか)
- 他社での大まかな勤務時間(週何時間程度か)
■ シフト調整の際に意識すべきこと
- 自社のシフトと他社のシフトを合わせたときに、週28時間を超えないか
- 特定の週に勤務が集中して「連続7日間で28時間超」とならないか
- 月末・月初の勤務が重なっていないか
・「掛け持ちしているかどうか」を聞くこと自体は問題ありません。
・ただし、他社の詳細な条件に過度に踏み込むのではなく、
「合計で週28時間以内に収まるかどうか」を確認する というスタンスが現実的です。
6. まとめ|掛け持ち自体は可能だが、「合計28時間」と「連続7日間」に要注意
外国人アルバイトの掛け持ち(ダブルワーク)は、資格外活動許可があれば原則として可能です。
しかし、
- すべての勤務先の合計で週28時間以内であること
- どの連続する7日間を切り取っても28時間以内であること
- 資格外活動許可の範囲内の業務であること
といった条件を満たさない場合、本人は資格外活動違反となり、企業側も不法就労助長罪のリスク を負うことになります。
掛け持ちを前提とした採用やシフト調整を行う際には、
在留資格・資格外活動許可・他社での勤務状況・合計時間 を意識した管理が重要です。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 掛け持ちしても週28時間以内なら問題ありませんか?
はい、すべての勤務先の合計で週28時間以内であれば問題ありません。
ただし、入管はどの連続する7日間でも28時間以内かどうかを確認するため、シフトの偏りには注意が必要です。
Q2. 1社ごとに28時間以内なら大丈夫ですか?
いいえ。1社ごとではなく「合計」で28時間以内で判断されます。
A社20時間+B社20時間=40時間 → 資格外活動違反となります。
Q3. 掛け持ちしていることは入管にバレますか?
はい。外国人雇用状況届出や給与支払報告書により、行政側は勤務先を把握できます。
複数勤務先の情報は照合されるため、隠すことはできません。
Q4. 週28時間を超えた場合、更新は不許可になりますか?
高い確率で不許可となります。
特に、繰り返し超過している場合は「在留資格の本来の目的から逸脱」と判断されます。
Q5. 企業側はどこまで確認すべきですか?
企業は「合計で週28時間以内に収まるか」を確認する義務があります。
他社の詳細条件に踏み込みすぎる必要はありませんが、掛け持ちの有無と大まかな勤務時間は確認すべきです。
Q6. 企業側が知らなかった場合でも不法就労助長罪になりますか?
「知らなかった」だけでは免責されません。
採用時・シフト調整時に必要な確認を怠っていた場合、結果として助長行為と判断される可能性があります。
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