永住許可申請の不許可理由とは?|年金・保険・納税・職務内容・最長在留期間・高度専門職ポイント(2026年)
本記事は、入管法・在留手続を専門に扱う行政書士が、2026年の永住許可における代表的な不許可理由を実務に基づき整理したものです。初めて永住申請をする方にも役立つ内容です。
永住許可は「総合審査」とされていますが、実務では不許可になりやすいポイントが明確に存在します。
特に、年金・健康保険・納税・職務内容・最長在留期間・高度専門職ポイントは、初回申請者でも不許可となる可能性が高い項目です。
この記事で分かること
- 年金(国民年金)の未加入・未納
- 健康保険の未加入・未納
- 納税の未納・滞納
- 職務内容の不一致(技人国等の就労系在留資格)
- 転職直後・給与の急低下・勤務実態の疑義
- 最長在留期間が「1年・3年」のまま(申請不可)
- 高度専門職ポイント不足
- 交通違反・素行要件
- 会社側の問題(社保未加入・源泉徴収漏れ)
- 不許可後の再申請ポイント
1. 年金(国民年金)の未加入・未納(直近2年)
永住許可の審査では、国民年金の加入状況・納付状況が厳格に確認されます。
特に直近2年の未納がある場合、ほぼ確実に不許可となります。
- 国民年金の未加入期間がある
- 国民年金の未納がある
- 厚生年金の加入漏れ(会社の手続きミス)
現在納付しているだけでは改善にならず、直近2年の納付状況を整える必要があります。
関連:永住許可は保険未加入だと不許可?|健康保険・年金の直近2年の審査ポイント
2. 健康保険の未加入・未納
国民健康保険料の未納や、社会保険の加入漏れは不許可の原因となります。
会社側の手続き漏れによる未加入でも、本人に責任がなくても不許可となるケースがあります。
- 国民健康保険料の未納
- 社会保険の加入漏れ
- 扶養の切り替え漏れ
健康保険も年金と同様に、直近2年の納付状況が重視されます。
関連:永住許可は保険未加入だと不許可?|健康保険・年金の直近2年の審査ポイント
3. 納税の未納・滞納(住民税)
住民税の未納・滞納は、永住許可の代表的な不許可理由です。
分納中の場合も原則不許可となります。
- 住民税の納付遅延
- 住民税の未納・滞納
- 会社の源泉徴収漏れ(会社の事務ミスで特別徴収が行われず、本人の住民税が普通徴収となり、結果として納付遅延が発生している場合は、入管では「本人の納税遅延」として扱われ不許可となる)
4. 職務内容の不一致(技人国等の就労系在留資格)
現在の在留資格の活動可能範囲と実際の業務が異なる場合、永住許可の審査で不利になります。
特に、事務作業や単純作業が多い場合は注意が必要です。
- 現在の在留資格で認められる活動と実際の業務が違う
- 配属変更で職務内容が変わった
- 単純作業が多い
5. 転職直後・給与の急低下・勤務実態の疑義
転職して間もない、給与が急に下がった、勤務実態に疑義があるなどの場合、永住許可の審査で不利になります。
- 転職して間もない(勤務実態が安定していない)
- 給与が急に下がった
- 勤務実態に疑義がある
6. 最長在留期間が「1年・3年」のまま(※不許可ではなく申請不可)
永住許可は、現在の在留期間が最長であることが申請の前提条件です。
そのため、在留期間が「1年」または「3年」のままの場合は、不許可になる以前に申請が受理されません(申請不可)。
なお、令和9年3月31日までは「3年」が最長として扱われる特例がありますが、
それ以外のケースでは5年の在留期間を取得してから申請する必要があります。
関連:永住許可の「最長在留期間」とは?|5年・3年特例の考え方
7. 高度専門職ポイント不足
高度専門職の特例を利用する場合、70点・80点の継続要件を満たしている必要があります。
年収の変動でポイントが下がるケースや、職歴(実務経験)が認められないケースもあるため注意が必要です。
関連:高度専門職の永住特例|70点・80点の要件と2つの区分
8. 交通違反・軽微な法令違反(素行要件)
交通違反が複数回ある場合、素行要件で不許可となる可能性があります。
軽微な違反でも累積すると影響します。
福岡など九州各県では車での移動が多いため、相談が多い項目です。
- 交通違反の累積
- 罰金の有無
- 軽微な違反でも複数回ある場合
9. 会社側の問題(社会保険未加入・源泉徴収漏れ)
会社が社会保険に加入していない、源泉徴収が適切に行われていないなど、会社側の問題が原因で不許可となるケースがあります。
- 社会保険未加入の会社
- 源泉徴収の誤り
- 雇用契約書と実態が違う
10. 不許可後の再申請ポイント
不許可となった場合でも、要件を満たすことで再申請が可能です。
特に、年金・健康保険は直近2年の納付状況を整えることが重要です。
- 納税を適正に行う
- 職務内容の改善
- 最長在留期間での申請
- 高度専門職ポイントの見直し
まとめ
永住許可は、生活基盤の安定性を総合的に審査されます。
年金未納・保険未加入・納税遅延・職務内容の不一致・最長在留期間不足・交通違反の累積は不許可理由になります。
個別の状況に応じて必要な対応は異なるため、申請前に状況を整理することが重要です。











